デジタルで完結!職員のスキルに依存しないスマート窓口システム

鳥取県米子市 様

お客様が抱える課題

1.どのような手続きをすればよいのか分かりにくい
2.手続きごとにそれぞれの窓口で申請書の記入が必要で手間がかかる
3.手続き窓口が庁舎内外に分散しており、住民の窓口移動が必須となる
4.将来的に、窓口案内や住民対応をおこなう職員の育成・人数確保が難しい見込み

米子市様は、住民窓口における手続きのデジタル化を実現しようとしていました。
本格的な検討が進められたのは、総務省の「令和元年度自治体行政スマートプロジェクト」からのこととなります。
まず、米子市様では現状で抱えている課題の洗い出しからスタートしました。
現状分析の結果、「①どのような手続きをすればよいのか分かりにくい」、「②手続きごとにそれぞれの窓口で申請書の記入が必要で手間がかかる」、「③手続き窓口が庁舎内外に分散しており、住民の窓口移動が必須となる」、「④将来的に、窓口案内や住民対応をおこなう職員の育成・人数確保が難しい見込み」の4点を解決すべきテーマと定め、窓口DX改革に向けて動き出しました。
米子市様の求める窓口DX改革を実現するためには、窓口業務のプロセスにおける属人性を極力排除し、データを主体としてデジタルファーストで完結することが必須でした。そのためには、単なる申請書のデジタル化だけではなく、まったく新たな仕組みを構築する必要がある、と結論付けました。
そこで、米子市様では「スマート窓口システム」の導入・構築を決定し、全庁を巻き込んだDX改革に取り組むこととしました。

提案のポイント

1.申請はデジタル統合申請書で一括受付
2.担当課の個別審査を必要としないものはスマート窓口で申請手続きを完結
3.窓口案内・資格審査はルールベースAIで自動判定

スマート窓口システムは「書かない窓口」「迷わない」「何度も聞かない」「職員の業務スキルに依存しない窓口」という4点の大きな特徴があります。
書かない窓口」では、ライフイベント発生時に必要となる複数の手続き申請を専用窓口であるスマート窓口にてタブレット端末で一括受付することでデジタル統合申請書を作成し、かつ署名も電子ペンでタブレットにサインしてもらうことで極力住民に書かせない仕組みとしました。
スマート窓口では複数の申請を受付するだけでなく、「歩かせない窓口」を実現するために担当課で二次審査が不要となる手続きについてはその場で完了できるようにしました。また、担当課に引継ぎが必要な場合も、スマート窓口から申請書情報が連携されるため、担当課は必要最低限の聞き取りのみで済むようにしました。
このスマート窓口での申請手続き処理については、申請者の手続きに必要な資格確認(注1)や一次審査(注2)といった判定業務に設定されたルールに基づいて、基幹業務システムのデータを参照し判定作業を行うAIを導入することで、申請可能な手続きを漏れなく自動判定する仕組みとしました。その仕組みにより来庁した住民に対して「あなたは本日この手続きができます」といった先読み型(プロアクティブ)のアプローチができる「迷わない窓口」が実現しました。
単なる事務のデジタル化に留まらず、住民の申請から職員の手続き処理まで一気通貫で業務のやり方を変えることで初めて窓口業務のDXを実現できるといえます。

注1)国民健康保険、児童手当等の資格情報
注2)人の判断を伴わず、データのみで機械的に判定する審査

導入後のポイント

1.紙の申請書記入が不要になり、窓口滞在時間短縮
2.会計年度任用職員での窓口運用を実現し、職員は他の業務へ配置
3.極限までヒトの手を介さない仕組みで、手続き案内漏れや事務処理ミスなどのヒューマンエラーを抑制

スマート窓口導入後、
市民は、従来の「手続きごとの申請書作成」から「デジタル統合申請書」へ切り替わったことにより、複数の申請書に記入することなく申請を一括でおこなうことができるようになりました。住民の申請手続きを簡略化・デジタル処理することで、市役所の滞在時間を大幅に短縮しています。
職員は、システムのアシスト機能により専門知識を必要としなくなりました。そのため、スマート窓口は会計年度任用職員で窓口業務が行えるようになりました。また、担当課では窓口業務に割く時間が減ったため、職員は住民相談対応の時間を増やすことができ、『職員でなければできない専門業務』に注力しています。
スマート窓口では極限までヒトの手を介さない仕組みとなっており、ヒューマンエラーによるミス(申請書記載ミス/手続案内漏れなど)を抑制します。さらに、スマート窓口の業務アシスト機能には、審査・判定の根拠となる法例情報を組み込んでおり漏れなく手続きの案内をおこなうだけでなく、業務に必要な個人情報の参照を最小限に止めて完結させるなど、セキュリティガバナンスの面でも優れた仕組みとなっています。

お客様の声

【3つの「ない」(書かない、迷わない、何度も聞かない)で申請窓口を一本化し手続を簡略化】

■職員様からの声

・申請者ごとに、手続き案内可能な内容がシステムから提示されるので専門的な業務知識のない職員でも窓口対応が簡単にできる。
・受け付けた申請内容が関連部署にデータで引き継がれるため、入力事務の削減とそれに伴う精神的負担が軽減できている。
・申請業務をスマート窓口で受け付けることで、バックヤードの業務(審査・入力等)が非常に楽になった。

 ■市民からの声

・転入してきたとき、複数の窓口に訪問して複数の申請書を作成するものと思っていたが、まとめてやってもらえて非常にスムーズだった。
・紙の申請書作成がなくて楽だった。
・県独自のサービスについても案内を受けることができ非常によかった。

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